金融所得を健康保険に反映させる課題にどう立ち向かうか。私が選んだ「正面突破」で社会保険料増税に立ち向かう理由

こんにちは、NAOです。
高配当投資家やFIRE民の間で、最近ホットな話題といえば、「金融所得(配当・売却益)を社会保険料(国保)の計算に連動させる制度改正」の議論ですよね。
「せっかく配当生活に入ったのに、国保が上限(年間約112万円)まで跳ね上がる…」
「対策として、今のうちにマイクロ法人を作るべきか?」
実際、私のXでの優秀な投資家仲間でも、すでにマイクロ法人を立ち上げて賢く社会保険料をコントロールしている人はたくさんいます。仕組みとして非常にスマートですし、年間で数十万円の手残りを確実に増やせる「極めて合理的な方法」の一つであることは間違いありません。
しかし、現在年間配当が税引き前で1,300万円ある私がとろうとしている戦略は別の道です。
結論から言うと、私は「制度の仕組みを使った戦略ではなくて、正面から収入を増やすことで、増税分を完全に相殺してしまおう」という戦略をとろうと考えています。
なぜその選択をしたか、思考プロセスを共有します。
1. そもそも何が起きる?「国保の上限(112万円)の壁」
今後の制度改正によって、特定口座の配当が国保の計算に捕捉されるようになると、私の住む自治体を例にすると、現在の配当所得だけで国保の年間保険料は上限マックス(家族4人で年間約112万円)に張り付くことになります。上限額は各自治体で差はあるようですので確認してみてください。
もし、今の収入額が変わらず、年間112万円のコストだけが増えるのであらば我が家にも看過できないインパクトです。おそらく多くのFIRE民が頭を悩ましていると思います。
だからこそ、世のFIRE民が「マイクロ法人(資産管理会社)を作って最安社保に潜り込もう!」と動くのは当然の方向性だと思います。
2. マイクロ法人のメリットと、私が「あえて」選ばなかった理由
マイクロ法人スキームの最大のメリットは、「手残りの確定」と「即効性」だと思います。
小さな会社を作って自分に少額の役員報酬を支払い、会社の社会保険に加入すれば、個人の国保を合法的に脱退できます。年間でかなりの額、数十万単位でのコストカットが確実に実現する、素晴らしい戦略です。
では、なぜ私はその道を選ばなかったのか。
まずは私自身がFIRE後はあまり手間暇かけずに過ごしたいという思いがあるからです。基本的に私は面倒なことが嫌いなんですよね。税理士に頼めばお金がかかるし、頼んだとしても少なからずやることはあるだろうし。これが一つ。
もう一つは、いつかマイクロ法人スキームが塞がれてしまうかもというリスク。せっかく手間暇かけて作った仕組みが国の方針一つで明日からは使えなくなるかもしれません。実際にマイクロ法人による社保ハックが有名になりすぎた今、国や年金事務所がその「穴」を気にしているというニュースも聞いたりします。
最後は、もし私に何かがあった場合、遺った家族が会社の清算などの煩雑な手続きまで遺すのは申し訳ないなと。
3. 私の戦略:「出ていく分、入るものを増やせばいい」という正面突破
では、どうやって今後来るかもしれぬ年間112万円の国保増税に立ち向かうのか。
私の答えはとてもシンプルです。
「入ってくるものが変わらず、出ていくもの(国保)だけが増えていくときつくなる。だけど、出ていく分(112万円)だけ、入ってくるもの(収入)も増えれば、実質的なキャッシュフローは何も変わらない」
制度の仕組みや抜け穴を探すのではなく、投資家として「正面から収入を増やす方法」であれば、今後どんなに国がルールを変えてこようとも、対応できると考えました。
幸いなことに、この制度改正は「まずは75歳以上の後期高齢者」からスタートします。法律の施行日は公布後5年以内となっているようなので2030年ごろでしょうか。
方向性としては今後75歳未満の現役国保世代にも導入される可能性は高いと見ていますが、そこまでには早くても10年、下手をすれば15年以上の長い猶予期間(執行猶予)があるのではと考えています。
この「10年以上の時間」があれば、投資家はいくらでも正面突破の準備ができます。
【10年間のロードマップ】防衛バッファから、未来のキャッシュフローへ
現在、私の配当手残りから日々の生活費などを差し引き、投資に回せる「毎年の余剰金を400万円」と設定します。それを、旅行や好きなことに使い切ってしまうというのもアリだと思いますが、今回の問題が浮上した以上資産を増やすために再投資に回すとどうなるか。
仮にこの余剰金をインデックス投信(年利5%と仮定)で10年間運用したとします。
- 5年後:約2,210万円(積立元本 2,000万円)
- 10年後:約5,030万円(積立元本 4,000万円)
10年という時間があれば、複利の力が乗って、約5,000万円という強固な「防衛バッファ(原資)」が出来上がります。
そして、将来的に現役世代にも国保大増税のルールが適用されたタイミングで、この育てた5,000万円から国保を払ってもいいし、高配当株やJ-REIT、債券などの「インカムを生む資産」へシフトさせ、そこから生まれるインカムで国保を支払うことも可能です。
- 5,000万円を利回り4.5%(税引後3.5%)で運用した場合:
⇒ 毎年、追加で 約176万円(税引後) の現金が新しく入ってくる。
どうでしょうか。
国保が新制度になって年間112万円余計に出ていくようになっても、私のサイフには新しく年間176万円が入ってくるようになります。差し引きで、毎年約64万円のお釣りが口座に残る計算です。現在のキャッシュフローは完全に守られるどころか、むしろ強化されます。
4. 想定される疑問への回答
疑問①:「国保の上限額(112万)自体が将来引き上げられたら?」
仮に上限が150万円に増税されたとしても、資産が育つスピードの方が早いため、十分に相殺できます。
疑問②:「現役世代への導入が前倒しされたらどうする?」
もし現役世代への適用が前倒しされて十分な資産が出来ていなければ、その時に初めて法人を作ることを検討しようかなと思います。不確定なリスクのために今から毎年法人の維持費を払い続けるより、施行日が確定してから動き出す方が合理的です。
疑問③:「この10年の間に大暴落が来たら?」
毎年400万円という強烈な入金力で世界株を買い続ける側からすれば、猶予期間中の暴落はむしろ「バーゲンセール」です。安値で大量に仕込めるため、10〜15年スパンで見れば、将来の爆発的なリターンの原動力に変わります。
まとめ:ルール変更に怯えない戦略
手残りを即座に増やせる「マイクロ法人」は、本当に優れた選択肢だと思います。すでに国民健康保険料をそれなりに納めなければいけない状況にある人にとっては有効な手段だと思いますし、現にそれを活用して資産防衛している知人もたくさんいます。
ただ、ルールが他人の手(国)によっていつでも書き換えられる以上、仕組みに依存するリスクは常に付きまといます。もちろん、ちゃんと事業所得といえるものがあって正真正銘の法人運営をできているなら別ですが。
一方、「支出が増えるなら、それ以上に資産を育てて、入ってくる収入を増やして相殺する」というアプローチは、いつまでも有効なプレイスタイルです。これなら、国が上限額を上げようが、新しい税金を課してこようが、自分の資産で闘うことが可能です。
何より、自分が世を去る時も、遺された家族に法人の面倒な手続きを一切背負わせず、シンプルに、金融資産を移管してあげることができます。
仕組みの寿命にビクビク怯えながら生きるか、資産の力、複利の力を使って制度の変遷を上から眺めるか。
私はこれからの長い猶予期間、余計な裏ワザに一旦頭を悩ませるのをやめ、資産の拡大に注力しようと思います。
そして、いざ制度が施行されたらまたその時の状況で戦略を考えたいと思います。
皆さんは、この社会保険料の波を「仕組み」で超えますか? それとも「正面突破」で闘っていきますか?











