資産運用における「最適なポートフォリオ」とは？｜分散投資とリスク許容度の考え方

資産運用を始めると、多くの人が直面するのが「ポートフォリオの構築」に関する悩みです。投資信託や株式、不動産、債券など選択肢は多岐にわたり、ネットやSNSには「この方法が最強だ」という情報が溢れています。しかし、資産運用において本当に重要なのは「自分に合った最適なポートフォリオ」を作ることです。この記事では、資産運用におけるポートフォリオの考え方を整理し、分散投資やリスク許容度の観点から最適解を探るヒントをお伝えします。

ポートフォリオに正解はない
SNSの情報に振り回されない
分散投資の重要性
リスク許容度を見極める
参考までに：私自身のポートフォリオについて
まとめ｜資産運用は自分のフィールドで戦う

ポートフォリオに正解はない

資産運用において「これが正解」という唯一の答えは存在しません。なぜなら、投資の目的やライフスタイル、家族構成、資産規模、さらには市場環境によって最適なポートフォリオは大きく変わるからです。
例えば、老後資金を重視する人と、短期的な利益を狙う人では投資戦略が全く異なります。資産運用は「自分のゴールに合わせた設計」が必要であり、他人の成功事例をそのまま真似しても必ずしも成果が出るわけではありません。

また自分自身についても生涯同じポートフォリオでいいということはありません。状況次第で見直ししていく必要があります。

SNSの情報に振り回されない

近年はSNSやYouTubeで投資情報が簡単に手に入ります。代表的な意見としては、

「オルカン（全世界株式インデックスファンド）だけで十分」
「GPIFのように4資産均等が理想」
「レイ・ダリオのオールウェザー・ポートフォリオが最強」

といったものがあります。これらは参考になりますが、あくまで一つの視点に過ぎません。重要なのは「自分の資産状況」「リスク許容度」「投資目的」を理解した上で判断することです。SNSの情報は刺激的ですが、鵜呑みにせず、自分の投資方針に照らして取捨選択する姿勢が求められます。

特にGPIFやレイ・ダリオは他人の資産を運用する立場というのが私たちとは大きく異なります。他人の資産運用では運用しつつも守らなければならないので「守り」が重視されたPFになっています。個人でも同じ思考の人にはとても参考になると思いますが、短期間で大きく稼ぎたいと考えている人にはあまり参考にならないと思います。

分散投資の重要性

資産運用において最も基本的かつ重要な考え方が「分散投資」です。
一つの資産や戦略に集中すると、予期せぬ市場変動で大きな損失を被る可能性があります。そこで、資産を複数のカテゴリーに分けて投資することでリスクを軽減できます。

分散投資の例：

株式（国内株・海外株）
債券（国債・社債）
不動産（REITなど）
コモディティ（金・原油など）

これらを組み合わせることで、ある資産が下落しても他の資産が補う可能性があり、ポートフォリオ全体の安定性が高まります。特に長期投資を前提とする場合、分散投資は「資産を守りながら増やす」ための必須戦略です。

リスク許容度を見極める

最適なポートフォリオを作る上で欠かせないのが「リスク許容度」の把握です。リスク許容度とは、資産が一時的に減少した際にどの程度耐えられるかを示す指標です。
例えば、株式比率が高いポートフォリオはリターンも期待できますが、暴落時には資産が大きく減少する可能性があります。一方、債券や現金比率を高めれば安定性は増しますが、リターンは限定的です。

リスク許容度を考える際には、

年齢やライフステージ
家族構成や生活費
投資経験や心理的耐性
将来の資金需要（教育費・住宅ローン・老後資金）

といった要素を総合的に判断する必要があります。

参考までに：私自身のポートフォリオについて

ここまで一般的な考え方を整理してきましたが、参考までに現在の私自身のポートフォリオの考え方もご紹介します。現在も試行錯誤の途中ですが、目指しているのは「配当金で不自由ない生活を維持しつつ、資産は横ばいか緩やかな右肩上がりを維持」という運用スタイルです。

その考えに合う商品として保有しているのが、カバードコール型ETF（JEPQやJEPIなど）です。オプションの仕組みを活用することで、株価上昇の一部を犠牲にする代わりに安定した配当を得られる点が魅力です。ただし、長期の下落相場では配当や資産が減る可能性もあるため、資産形成を継続する目的でオルカン（全世界株式インデックスファンド）も保有しています。
加えて、最近はインベスコ世界のベストやWCM ネクストジェネレーションといった毎月分配型の投資信託も保有しています。これらは分配金を出しつつも基準価格が横ばいで推移しており、カバードコールETFのように安定的なキャッシュフローと資産維持を目的で組み入れています。
これらの商品は「資産の成長よりも安定した収入を重視したい」というニーズに合致しており、FIRE後の私のライフスタイルにフィットすると思っています。

さらに、株式だけに偏るリスクを避けるために債券やREIT（不動産投資信託）にも分散投資を行っています。また、イデコではほぼゴールドに投資していて、分散を図っています。

基本的なスタンスは「何が正解かわからないから、良さそうな商品はまず自分で買ってみて、しばらく様子を見る」というものです。多く持っている商品でも全体の資産の8％程度に抑え、過度な集中投資を避けるようにしています。こうして自分にしっくりくる商品を取捨選択して、徐々に自分に合ったポートフォリオを形作っていっています。