FIREを目指す人がハマりやすい最大の罠

「自由のための手段」が、いつの間にか“目的”になっていないか
FIREを目指す過程は、ある意味で“修行”に近い。
節約し、投資に回し、資産を積み上げる。
「早く自由になりたい」という思いが強いほど、日々の行動はストイックになっていく。
しかし、この努力の積み重ねが、ある瞬間から“別のもの”に変わってしまうことがある。
お金を増やすこと自体が目的になってしまう。
これは、FIREを目指す人が最も陥りやすい罠だと、私は身をもって感じた。
「使わない生活」に慣れすぎると、自由を手にしても使えなくなる
長い間、節約と投資を繰り返していると、
“お金を使わないこと”が習慣になる。
- 何かを買うときに罪悪感が出る
- 旅行や経験より、口座残高の増加に喜びを感じる
- 使う理由を「投資効率」で説明しがち
- もっと安くできたのでは、と考えてしまう
こうした感覚は、FIREを目指す人ほど強くなりやすい。
そして気づけば、
自由を買ったはずなのに、数字の奴隷になっている。
私自身、FIREを決断した直後にこの罠にハマりかけていた。
お金は「道具」であって、目的ではない
お金は、自由を手に入れるための手段であり、
人生の満足度を高めるための道具だ。
貯めることは大切だが、
貯めるためだけに生きるのは本末転倒。
FIRE後に必要なのは、
「どう使うか」という“使う力”だと痛感している。
とはいえ、FIRE後は無計画に使えば破綻する
ここが難しいところだ。
FIRE後は、これまでのような安定した給与収入がなくなる。
だからこそ、使うにしても計画性が必要になる。
私はFIRE後、次のようなルールを作った。
●生活費は「再現性のある収入」でまかなう
私は 配当金を生活費のベースにしている。
これは毎月の生活を安定させる“土台”になる。
●スイングの売却益は「人生の彩り」に使う
たまに得られるスイングの利益は、
思い出の総量を増やすための支出に使うようにした。
- 小さな贅沢
- 家族との時間
- 旅行
- 自分の学びや経験
こうした“人生を豊かにする支出”に回すことで、
使うことへの罪悪感が薄れ、満足度が大きく上がった。
そしてもう一つの大切な視点
──子供との時間は「今」しか買えない
FIREを語るとき、どうしても“お金”や“自由な時間”に意識が向きがちだ。
しかし、実際に生活してみると、もっと本質的な問題がある。
子供との時間は、後から買い戻せない。
子供が中学生以上になると、
部活、塾、受験、友達との時間が増え、
家族で自由に動ける時間は一気に減っていく。
気づいたときには、
「一緒に出かけられる時期はもう終わっていた」
ということも珍しくない。
だから私は、
子供が小学生のうちに“家族の共有体験”にお金を使うことを強くすすめたい。
- 家族旅行
- 週末の小さな冒険
- 思い出に残る体験
- 一緒に過ごす時間を買う支出
これらは、将来の自分が必ず感謝する“最高の投資”になる。
お金は後から増やせるが、
子供との時間は後から増やせない。
お金は使われて初めて価値が生まれる
お金は、使わなければただの数字。
どれだけ貯めても、
どれだけ桁が増えても、
使われなければ価値は生まれない。
無駄遣いはよくないかもしれない。
でも、使われずに眠り続けるお金の方が、よほど無駄だと思う。
なぜなら、
使われたお金は誰かの時間になり、経験になり、思い出になり、価値に変わる。
しかし、使われなかったお金は何も生まない。
誰も幸せにしない。
極端に言えば、
死ぬまで使われないまま眠っていたお金の方が、
無駄遣いされて消えていったお金より“悲しい”のかもしれない。
お金は価値を生むために存在しているのだから。
FIRE後に必要なのは「使うルール」と「使う勇気」
FIRE前は、節約や投資効率を最大化するフェーズ。
しかしFIRE後は、
満足度の高い支出を選ぶフェーズに移行する。
- 経験
- 健康
- 人間関係
- 時間の余裕
- 家族との思い出
これらは、長期的に見れば資産価値を高める“無形の投資”だ。
最後に──あなたはどうだろう
FIREを目指す人ほど、真面目で努力家だ。
だからこそ、貯めることに最適化されすぎてしまう。
私自身がそうだったように、
気づかないうちに“目的のすり替わり”が起きる。
皆さんは、お金を貯めること自体が目的になっていませんか。
そして、家族との時間という“今しか買えない価値”を見落としていませんか。











