株式投資20年の振り返り:初心者時代の失敗から学んだ「勝てるようになった理由」

株式投資を始めてから20年以上が経ちました。今でこそ資産を増やせるようになりましたが、最初の10年ほどはまったくうまくいかず、失敗ばかりでした。投資初心者の方にとって「どうすれば勝てるようになるのか」という疑問は尽きないと思います。私自身も長い間その答えを探してきました。
途中で投資スタイルを逆張りから順張りに変えたことはありますが、今ではどちらの手法でも利益を出せるようになっています。つまり、単純にスタイルの違いが勝敗を分けているわけではありません。では、なぜ勝てるようになったのか。明確な必勝法を見つけたわけではありませんが、振り返ると「投資に対する姿勢」と「情報の扱い方」が大きく変わったことに気づきました。
初心者時代の投資スタイル:PERとPBRだけで判断
投資を始めたころは、四季報とチャートくらいしか見ていませんでした。指標もPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)程度。しかも「PERやPBRが小さい銘柄でチャートが下がっているものを探し、反発を待つ」という単純な逆張り投資でした。
当時は、PERやPBRの「今の値」しか気にしておらず、来期の予想や業績の見通しなどは考えていませんでした。そもそもその指標の意味を正しく理解していたかも怪しいほどです。今思えば、企業の本質を理解せずに「数字が低いから割安だろう」と安易に判断していたのです。
今の投資スタイル:企業理解と多角的な分析
現在は見る項目が圧倒的に増えました。
- PER、PBRに加え、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)
- 筆頭株主や株主構成
- キャッシュフローの状況
- 配当金の推移や配当性向
さらに企業のホームページや決算資料を確認し、その会社がどんな事業をしているのか、これまでどんな業績を積み上げてきたのか、今後どうなりそうかを理解したうえで投資するようになりました。
初心者時代は「何をしている会社なのかよくわからず買っていた」こともありましたが、今はそういうことはなくなりました。企業理解を深めることで、投資判断の精度が格段に上がったと感じています。
また、その事業内容が時流にあっているか、コロナショックのような事態になった時に業績に影響しそうかなどその企業だけでなく、その周りを取り巻く環境などにも考えを及ばせるようになってきたように思います。
売買判断の変化:理由を持つことの重要性
もうひとつ大きな変化は、損切や利益確定の判断に「理由」を持てるようになったことです。初心者のころは「下がれば損切、上がれば利確」という単純なルールで動いていました。しかし今は「なぜその行動をとるのか」を説明できるようになっています。
基本的に株を買うときにはそれを買う理由がどなたにもあるはずです。私の場合だと今後業績はこれぐらいの推移で成長していくだろうという期待をもって買います。なので、その前提が崩れれば損切りというような感じです。具体的に何%下げたら売りというよいうな基準は設けていません。
利確についても予想通りの推移で成長すればこれぐらいかなという目標株価を決めその付近で利確します。当然私の予想などバッチリ当たるわけもないので、売る時はその価格付近で分割して利確するようにしています。
このように行動に理由を持つことで、感情に振り回されず冷静に投資判断ができるようになりました。とはいえ人間ですから時には感情が入ることもありますけどね。
知識と実践のギャップを埋めるのは「経験」
投資本やSNSでは「企業IRを見ろ」「指標を多角的に見ろ」「売買に理由を持て」とよく言われます。確かにその通りなのですが、知識として知っていることと、それを実際に実践できることは別物です。
私自身、頭では理解していても実際の投資行動に落とし込むまでには長い時間がかかりました。今、昔読んだ投資本を読むとたしかにそういった内容が書いてあるんですよね。今では分かるんですけど、当時は読んで分かっていた気になっていただけでした。
経験を積み重ねることでようやく「知識が実践に変わる」感覚を得られたのです。これは投資初心者にとって最大の壁かもしれません。
投資で勝てるようになった理由をまとめると
振り返ると、私が投資で勝てるようになった理由は次の2点に集約されます。
- 企業(その周辺環境も含め)を理解する努力をするようになったこと
- 売買の理由を持てるようになったこと
必勝法はありません。今後も必勝法は見つからないでしょう。しかし、経験を積み重ねることで知識が実践に変わり、結果として資産を増やすことにつながったのだと思います。
投資初心者へのメッセージ
株式投資は「知識を知っている」だけでは勝てません。大切なのは、その知識を実際の投資行動に落とし込めるかどうかです。そしてそれを可能にするのは、日々の試行錯誤と経験の積み重ねです。
投資初心者の方は、まずは企業を理解する努力をしてみてください。四季報や決算資料を読み、PERやPBRだけでなくROEやキャッシュフローにも目を向ける。もちろん値を見るだけではだめでその数値の意味することを理解しないとだめです。そして、売買の際には「なぜその行動をとるのか」を自分に説明できるようにする。これだけでも投資の質は大きく変わります。
まとめ
株式投資20年を振り返ってみると、初心者時代の失敗は「企業を理解せず、理由なく売買していたこと」に尽きます。今では企業分析を深め、売買に理由を持つことで、資産を増やせるようになりました。
投資で勝てるようになるための近道はありません。しかし、経験を積み重ねることで知識が実践に変わり、やがて結果につながります。投資初心者の方にとって、この「知識と実践の差」を意識することが、成功への第一歩になるはずです。
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