【禅とFIRE】「吾唯足知」―数字の迷路を抜けて、本当の『満たされ方』を一緒に見つける練習。

自由の先にある、見えない「もっと」という罠
「今日、あなたは自分の持っているものだけで、心から満たされていると感じられましたか?」
2026年4月、私はサラリーマン生活を卒業し、FIREという新しい生活をスタートさせました。何にも縛られない自由な時間を手に入れ、穏やかな日々を送る一方で、ふとした瞬間に心がざわつくことがあります。
なにげなくXを開けば、「資産〇億円突破」「月商〇百万円」といった華やかな言葉が飛び交い、知人と会えば「今は何をしてるの?」という問いに、思わず背筋を伸ばして格好をつけてしまう自分がいます。
自由のゴールに辿り着いたはずなのに、気づけば頭の中が「もっと、もっと」という足し算の思考に支配されそうになっている。目標を達成してもなお、次の数字を追いかけようとする終わりのない焦燥感。
もし今、あなたが同じような「乾き」を感じているなら、一度立ち止まって、私と一緒にこの言葉に耳を傾けてみませんか。
今回の学び:『吾唯足知(われただたるをしる)』
この言葉は有名なのでご存じの方もいるのではないでしょうか。禅の教えを学び始めたばかりの私も、今いちばん心に留めているのがこの言葉です。
「吾(われ)唯(ただ)足るを知る」
実はこの言葉は決して「現状維持で満足しなさい」「贅沢を言わずに我慢しなさい」というネガティブな意味ではありません。
禅が教えてくれる「足るを知る」とは、「自分にとって、何が、どれくらいあれば本当に幸せなのか」という『適量』を、他人の基準ではなく、自分の物差しで徹底的に見極めることです。
他人ではなく、自分が満たされる量を知る。これこそが、数字の奴責から解放され、本当の意味で人生の主導権を握るための第一歩なのだと感じています。
「資産の額」と「心の平穏」は、必ずしも比例しない
私はFIREを機に、お金の本質を体系的に学ぶため「FP2級」や「資産形成コンサルタント」の資格を取得しました。実務としてはまだ経験不足ですが、資格の勉強を通じて知識を深め、また自分自身の投資経験を振り返る中で、一つの確信に至りました。
それは、「資産の額」と「心の平穏」は、必ずしも比例しないということです。
「現実の資産」を増やしていっても、「もっと欲しいという執着」がそれ以上に膨らんでしまえば、全体の幸福度はむしろ下がってしまいます。
資産を増やすアプローチを実践しつつ、同時に「自分の適量を知るアプローチ」を学ばなければ、私たちはいつまで経っても本当の安心を手に入れることはできないのです。
一緒に、自分だけの「凪」を育てていきましょう
正直にお伝えすると、私もXを見て羨ましくなる夜はありますし、知人の活躍を聞いて焦りが生じることもあります。
45歳でFIRE。世間からは「あがり」のように見えるかもしれませんが、私の内側でも、今でも毎日小さな葛藤が繰り返されています。
でも、揺れるのが人間です。
大切なのは、揺れた後に「おっと、また外の風に引っ張られていたな」と気づき、そっと自分の中心にある『吾唯足知』の場所に帰ってくること。
疲れたら帰ってきて落ち着つける場所。心の中にそんな場所を持っておきたいですよね。












