普通の入金力で40代FIREは無理。だから私は「王道」の裏口を駆け抜けた

「インデックス投資の長期積立こそが、一般人が資産を築く唯一の最適解である」
今、投資の世界を見渡せば、どこもかしこもこの言葉で溢れ返っています。確かにそれは正論ですし、王道です。
でも、私はかつて、その王道に真っ向から背を向けました。選んだのは、信用取引を使った中小型株へのフルレバレッジ集中投資。世間一般のセオリーから見れば、完全に「やってはいけない危険なギャンブル」の領域です。
なぜ、そんな一か八かのような選択をしたのか。そこには、綺麗事だけでは片付けられない、私なりの冷徹な現実の計算がありました。
綺麗事抜きで気づいてしまった、「入金力」という冷酷な壁
理由はシンプルです。当時の私の「入金力」では、どんなにインデックス投資をコツコツ続けたところで、40代でのFIREなんて到底不可能だと気づいてしまったからです。
初期投資100万、毎月3万を7%の利回りで30年間で4,000万か・・・。

「もう少し節約して、入金力を上げればいいじゃないか」と思うかもしれません。でも、毎月の投資額を数万円上乗せしたところで、届く世界の景色はそう変わりません。インデックスの平均利回りから逆算すると、自分の理想とするタイムリミットにはどうやっても間に合わなかったのです。
積立額を5万円にあがたところで6,600万・・・。
これじゃFIREはできない。

もちろん、フルレバの集中投資には全財産を失うリスクがあります。でも当時の私は、「まだ若いんだから、最悪ここで数百万を溶かしたとしても、その後の人生でいくらでもリカバーできる」と本気で腹を括っていました。王道を否定したかったわけではなく、自分の「時間」と「目標」を天秤にかけた結果、リスクの刀を抜くしかないという結論に至ったのです。
資産が増えた今だから白状します。あの強心臓はどこへ行った?
そんな無茶な攻め方をしてきた私ですが、じゃあ今も同じようにフルレバで戦っているかというと、全く違います。
今では当時の強心臓ぶりが嘘のように、すっかり「増えた資産を減らさない」守りの投資に徹しています。現金比率を意識し、インデックスや高配当株、ETFをコアにしたポートフォリオです。あの頃の私が今の私を見たら、「ずいぶん安全運転になったな」と笑うかもしれません。
でも、それでいいと思っています。資産がないステージと、資産ができたステージでは、ゲームのルールが根本から変わるからです。あの時のリスクの取り方が正解だったからといって、それを一生続ける必要はありません。フェーズに合わせて、自分の「臆病さ」や「慎重さ」を素直に受け入れることも、生き残るためには必要なスキルだと感じています。
暴落の時だけ刀を抜く。リスクを抑えて「信用」を飼い慣らす方法
かつて私が使い倒した「信用取引」ですが、世間では「身を滅ぼす悪魔のツール」のように言われがちです。確かに、常にレバレッジをかけっぱなしにしていれば、いつか相場に退場させられます。
ただ、実際に学んだのは、「使いこなせばこれほど強力な武器はない」ということ。そして、リスクを最小限に抑える使い方が存在するということです。
その一つが、「普段は絶対に抜かず、歴史的な暴落時だけ刀を抜く」という戦略です。
市場がパニックに陥り、あらゆる優良株が実力以下に叩き売られている大底の瞬間。その時だけ、手元のキャッシュ以上の買い力を信用取引で一時的に発動させる。多くの人が恐怖で身動きが取れなくなっている瞬間にだけ、限定的にリスクを取る。これなら、平時のギャンブル的な取引とは違い、勝率を極限まで高めた状態で信用の爆発力を味方にできます。
現物は売りたくない。欲望と恐怖をコントロールする「つなぎ」の技術
もう一つ、信用取引には「空売り」を使った面白いリスクコントロール方法があります。
例えば、自分が大切に持っている現物株が、どう見ても短期的に「上げすぎ」だと感じる局面。普通なら「売って利益確定したいけれど、手放した後にさらに上がったら悔しいし、税金もかかるから売りたくない。そもそもできれば売りたくない」と葛藤しますよね。
そんな時、現物を売るのではなく、売ってもいいと思える数だけ「空売り(信用売り)」を入れます。
- 思惑通りに株価が下がった場合: 下がったところで空売りを買い戻せば、その差額が利益になります。得た利益を使って、安くなったその銘柄をさらに買い増してもいいし、別のチャンスに回してもいい。
- 思惑が外れて株価が上がり続けた場合: 空売り分は損失になりますが、自分がガチホしている現物株の含み益がそれを相殺してくれます。最悪、これ以上は無理だと思えば、持っている現物をそのまま差し出す「現渡し(げんわたし)」という手続きをすれば、結果的に「空売りを入れたあの瞬間の価格で綺麗に利益確定した」のと同じ状態を作れます。
「売るか、持つか」の二択ではなく、その間にある絶妙なグレーゾーンを自分で作り出せる。これもまた、信用取引という道具が持つ、隠れた守りの側面です。
正解のルートは、一つじゃない
インデックスの積立投資は、間違いなく多くの人にとっての最適解です。それを否定するつもりは微塵もありません。
しかし、全員が同じ初期資産で、同じ入金力で、同じ年齢からスタートするわけではない以上、全員にとっての最適解が同じであるはずがない、とも思うのです。
ある人にとっては、レバレッジをかけた集中投資が、現実の壁を突破する唯一の鍵になるかもしれない。またある人にとっては、徹底的にリスクを排除した守りこそが心地よいかもしれない。
大切なのは、世間の「これが正解」という声に盲従することではなく、自分の現在地と目標を冷徹に見つめ、そのギャップを埋めるための「自分だけの武器」を理解して選ぶこと。
投資の正解ルートは、あなたが思っているよりも、ずっと多様で、自由なものです。











